産業用マーカー装置は、なぜレーザー方式が優れているのか?
2023/05/15
- Murrplastik
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増田 将吾
今回のコラムでは、製造現場の備品として欠かせない、産業用マーカー装置について解説します。
普段から現場でなんとなく使っているマーカー装置ですが、さまざまな部品やケーブルに適した印字方式があります。
本コラムでは、レーザー方式を採用したラベルマーカーを中心にご紹介しましょう。
Murrplastik社のレーザーマーカー装置「LMシリーズ」。レーザーのエネルギーで、金属ラベルなどの表面を焼いて文字を描く方式だ。
【目次】
機械のアセンブリや保守・点検時に! 産業用マーカー装置の必要性
4つに大別できる産業用マーカー装置のメリットとデメリットとは?
Murrplastik社のレーザーマーカーのメリットと強み
機械のアセンブリや保守・点検時に! 産業用マーカー装置の必要性
産業用マーカー装置は、弊社のお客様の場合には、さまざまな部品やケーブルなどにラベリングする際によく利用されています。
たとえば、機械の制御盤内、フィールド機器、端子台、ケーブル・チューブのマーキングなどに使われています。
どちらかというと、現場にあって当たり前のもので、その重要性について見落とされがちですが、ラベルを付けていないと、組み立て工程で必要以上に手間取ったり、ケーブルなどの誤配線が発生することもあります。
また、複雑な機械システムほど多くの部品やケーブルが使われるため、機械の保守・点検時にラベルが貼られていないと、どのケーブルと端子台がつながっているのか、その関係性をすぐに把握できなくなります。
そこで多少の手間は生じても、最初にラベルを付けて確認しやすくしておくことで、あとあとのメンテナンス性も断然違ってくるわけです。
このような背景から、自社にマーカー装置を導入しているメーカーも多いでしょう。
また大手企業の場合だと、発注元指定制度を取っており、一次・二次の下請け部品会社に対して、製造現場の備品として特定メーカーのマーカー装置を導入するように推奨していることもあります。
たとえば、ポルシェ、BMW、メルセデス・ベンツといった欧州の大手自動車メーカーでは、特定のレーザーマーカー装置が使われており、その傘下のサプライチェーンでも自社が推奨するマーカーを導入するように促しています。
こういったことで製品の品質を担保しているのです。
4つに大別できる産業用マーカー装置のメリットとデメリットとは?
製造現場に導入されるマーカー装置には、印字方式によって、いろいろな種類があるため、ここで簡単に復習しておきましょう。
マーカー装置の印字方式は、主に「インクジェット式」「サーモ式」「エングレービング式」「レーザー式」に大別でき、それぞれに一長一短があります。
ご存じだと思いますが、インクジェット式は専用の速乾インクを噴射して印字し、サーモ式は熱転写で印字する方式になります。
これらは基本的にはペーパー用のプリンタと同様の原理で、製造現場でもよく利用されています。
一方、エングレービング式は、あまり聞き慣れないかもしれませんが、物理的に彫刻刀のようなもので金属表面を削って文字を刻印するものです。
またレーザー方式は、金属などのラベル表面を熱エネルギーで焼きながら印字します。
厳しい産業用途において、耐候性・耐油性・耐薬品性・耐腐食性などに優れたラべルが求められる場合には、レーザー方式によって、アルミやステンレスなどの金属製のラベルに印字します。
レーザー方式のメリット。レーザ―で金属などのラベル表面を焼いて印字するので、文字が消えないというメリットがある
上記のような厳しい耐環境性が求められる場合には、インクジェット式やサーモ式ではラベル自体が劣化したり、印字してある文字が消えてしまったりする可能性があります。
またインク自体も消耗品なので、煩雑なインク交換も必要になります。
レーザー式では、直接ラベルに文字を焼くので文字は消えません。
息が長い装置に使うなら、文字が半永久的に残るレーザー式マーカーを利用するほうが安心できるでしょう。
Murrplastik社ではレーザー式マーカー印字機を |
Murrplastik社のレーザーマーカーのメリットと強み
さて、最後に弊社が取り扱っているドイツ・Murrplastik社のレーザーマーカー装置「LMシリーズ」について説明しましょう。
本シリーズは、幅広い産業用部品に対して適用できるレーザーマーカーです。
弊社展示会にて出展したLMシリーズ。ストッカーに複数枚のラベルを入れ、さまざまな種類のラベルを自動で一括印刷することが可能
Murrplastik社では、マーカ装置だけでなく、専用ラベルも併せて開発している点に強みがあります。
たとえば、制御盤内の部品ではリモートIO、リレー、遮断機、電源、端子台、など有名メーカーの各種製品にフィットするラベルを用意しています。
ラベリングの実例その1。端子台にラベリングすることで、作業時の誤配線を防止することが可能になる
またケーブル・チューブなどへのマーキングでは、(ラベルを入れるための)ホルダーケースも含めて、その取り扱い方法や、材質(耐油性、難燃性など)、カラー、文字数など、お客様のニーズにマッチした多様なラインナップをチョイスできます【★写真5】。
ラベリングの実例その2。Murrelektronik社のコネクタケーブルにはホルダーが付いており、そこにラベルをストックできて便利
次にLMシリーズは、操作面にも大きな特徴があります。使い勝手の良い専用ソフトが添付されており、直感的なGUIで設定や管理が行えるようになっています。
印字データはExcelから一括でインポートでき、ファイル形式で保存し、プロジェクトごと、あるいは製品機種ごとに、データを容易に管理できます。
使い勝手の良い専用ソフト。直感的なGUIで印字の設定ができ、データも製品機種ごとに容易に管理することが可能
またラベルの出力も、一回の操作で複数枚のラベルを同時に全自動で印字するため、効率的に作業できます。
さらに文字だけでなく、QRコードを入れられるため、製品のトレーサビリティにも応用が利きくでしょう。
ラベリングの実例その3。文字だけでなく、QRコードも印字できる。ここではプラスティック製のラベルを使用
Murrplastik社では、多彩な形状、カラー、材質のラベルを製造販売しています。
有名機器メーカーのラベル互換品までカバーしており、見た目も統一しやすくなります。
金属ラベルのみならず、よりリーズナブルにお求めいただけるプラスチック製も用意しています。
ぜひ、この機会にレーザーマーカーをご検討いただければ幸いです。
ラベリングの実例その4。Murrplastik社の専用ラベルの見本。さまざまな形状・カラー・材質があり、有名機器メーカーのラベル互換品までカバー
Murrplastik社レーザー式マーカー印字機 |
増田 将吾プロダクトマネージャー
主にMurrplastikやBinderを担当しています。
ヨーロッパの優れた製品を幅広く皆様にご紹介していきたいです。
週末にはボルダリングジムに通って汗を流しています。
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