AIカメラの種類と仕組みを徹底解説!|アナログ・デジタルの違いも紹介
2025/04/01
- Motec
ケーメックスAT テックプラス編集部
近年、AIカメラという言葉を耳にすることが増えましたが、その仕組みや活用方法は意外と知られていません。
この記事では、AIカメラの3つのタイプと、アナログカメラとデジタルカメラの違いを解説します。どの現場にどのカメラが最適か、選び方のポイントもご紹介します。
AIカメラとは?今さら聞けない基本と3つのタイプ
ー① カメラ自体にAIを搭載したエッジAIカメラ
ー② AI解析システムと連携するクラウド・サーバー解析型
ー③ AIエッジコンピューティング対応型カメラ
AIカメラと映像システムの仕組み – アナログカメラ vs. デジタルカメラ
ーアナログカメラの特徴とは?
ーデジタルカメラ(イーサネットカメラ)の特徴とは?
進化する建設機械のAIカメラシステム – アナログ・デジタルカメラの使い分け
ーアナログカメラが適しているシチュエーション・機械
ーデジタルカメラ(イーサネットカメラ)が適しているシチュエーション・機械
Motecカメラの特長とは?
-高耐久・防塵防水性能
-振動・衝撃耐性
ー広角・高解像度映像
ー様々なインターフェースに対応
建機業界で活躍中!Motecカメラシステムのアプリケーション事例
-AI人体検知システム(MVCD2000:デジタルビデオコントロールユニット)
【写真で紹介】建機業界におけるMotecカメラシステムの活用事例
Motecの代表的な建機向けカメラシステムをご紹介
Motecの会社概要と歴史
AIカメラとは?今さら聞けない基本と3つのタイプ
近年、「AIカメラ」という言葉をよく耳にするようになりました。AIカメラと聞くと、カメラ自体にAIが搭載され、すべての処理を自動で行うイメージを持つかもしれません。しかし、実際には「AIが映像を解析するシステム」と「映像を撮影するカメラ」が連携して動作することが一般的です。
AIカメラには、大きく分けて3つのタイプがあります。
① カメラ自体にAIを搭載したエッジAIカメラ
カメラ内部にAIプロセッサを内蔵し、映像をリアルタイムで解析できるのがエッジAIカメラです。サーバーを介さず、カメラ単体で処理が完結し、外部サーバーが不要なため、通信環境が不安定な場所でも安定して動作します。監視カメラや交通解析、車載用途などで広く使われています。
② AI解析システムと連携するクラウド・サーバー解析型
もう一つは、カメラ自体は通常の映像を撮影し、そのデータをクラウドやサーバーのAIシステムに送って解析を行うタイプです。エッジ型に比べて処理能力の高いAIモデルを活用できるため、複雑な分析や高精度な判定が可能です。インターネット環境が前提となるため、安定した通信が必要です。
③ AIエッジコンピューティング対応型カメラ
AIの判断をクラウドではなく、端末や現場近くの機器(=エッジ)でリアルタイムに実行する仕組みです。これにより、通信遅延を最小限に抑えながら、現場レベルで迅速な判断が可能になります。カメラは撮影のみを行い、映像はローカルネットワークで確認、処理結果のみが上位システムに送信され、通信負荷が少ない点がメリットです。
ちなみに、建設機械向けの高耐久カメラとして知られるMotec(モーテック)製カメラには、実は2つのタイプがあります。
ひとつは、①の「エッジAIカメラ」です。こちらはカメラ自体にAIを搭載しており、人や自転車、バイク、バス、トラックなど、さまざまな物体を認識できるんです。
もうひとつは、③の「AIエッジコンピューティング対応型カメラ」です。このタイプのMotecカメラにはAI機能は搭載されていませんが、外部のAIシステムと連携して、高品質な映像を解析することで、障害物の検知や安全管理が可能になります。
①の「エッジAIカメラ」については、次回以降の技術情報ブログにて詳細をご紹介させていただきます。ぜひご期待ください!
AIカメラと映像システムの仕組み – アナログカメラ vs. デジタルカメラ
「AIエッジコンピューティング対応型カメラ」で映像を提供するカメラには、アナログカメラとデジタルカメラがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。次に、アナログカメラとデジタルカメラの特徴、さらにAI解析との統合がどのようにカメラの使い勝手を向上させるのかについて詳しく説明していきます。
アナログカメラの特徴とは?
・コスト:アナログカメラは一般的に低価格であり、予算が限られているプロジェクトに適しています。
・接続性:アナログ信号は、すでに存在する設備(例えば、モニターやDVR)と簡単に接続できます。
・設置の簡便さ:配線や設置が比較的簡単で、機器間の接続が少なくて済む場合があります。
アナログカメラは、コストパフォーマンスに優れ、既存の設備と組み合わせやすいというメリットがあります。そのため、限られた予算のプロジェクトや、インフラに依存せず安定した映像を求める場合に特に適しています。
また、アナログカメラでも、シンプルなAI解析機能(例: 動体検知や侵入検知)を導入することができます。特に、既存のインフラを活かしながら、安定したAIサポートを活用するケースには適しています。ただし、複雑な解析や高度な機能の活用には、デジタルカメラの方が有利です。
デジタルカメラ(イーサネットカメラ)の特徴とは?
・画質・解像度:高解像度や鮮明な画像を提供し、詳細な視認性が求められる環境に最適です。
・耐障害性:デジタルカメラはノイズに強く、干渉の少ない画像を提供します。これにより、安定したパフォーマンスを確保できます。
・データ転送速度:デジタル信号はより高速なデータ転送を可能にし、リアルタイムで映像を処理する際に有利です。
・低照度性能:デジタルカメラは暗所での性能が優れており、夜間や視界不良時でも鮮明な画像を提供できます。
・遠距離対応:高解像度のデジタルカメラは、遠距離での視認性にも優れ、広範囲の監視が可能です。
デジタルカメラは、AIとの統合が容易で、顔認識、動体検知、異常検知などの高度な解析をリアルタイムで実行できます。これにより、効率的かつ精度の高い監視・解析が可能となり、より複雑な監視ニーズにも対応できます。特に、イーサネットカメラは、高速なデータ転送能力を持ち、ネットワーク接続機能を備えているため、リアルタイムでの映像解析において大きな利点を提供します。
昨今、視認性の向上や安全対策の強化に対するニーズが高まっており、これによりデジタルカメラへのお問い合わせが増えています。
特に、フルHDのアラウンドビューやAIによる人体検知機能など、より高度な機能を求める企業が増えているためです。
AIカメラシステムの選定においては、これらのカメラの特性を活かしながら、用途に適した組み合わせを選ぶことが重要です。
進化する建設機械のAIカメラシステム – アナログ・デジタルカメラの使い分け
AIカメラシステムは、建設機械の現場においても重要な役割を果たし、リアルタイムで映像解析を行うことで、安全性や作業効率を大幅に向上させます。
AIは危険な状況を即座に検知したり、作業者の動きを追尾することで、事故を未然に防ぎ、作業進行状況や機械の監視を効率的に行います。
アナログカメラが適しているシチュエーション・機械
アナログカメラは、コスト重視や基本的な視認性を求められる場面で特に有効です。例えば、以下のようなシチュエーションに適しています。
・ 古い建機:既存のアナログモニターやDVRを活用したい場合に最適です。
・ 低予算の工事現場や短期間の使用:レンタル機械など、短期間の使用を予定している場合にも有効です。
・ フォークリフトや小型建機:障害物の確認など、基本的な視認が求められる場合に効果的です。
・ 舗装作業車やロードローラー:後方・側方の簡易モニタリングが求められる場合にも適しています。
・ 比較的電磁ノイズが少ない建設現場:電磁ノイズが少ない環境では、安定した映像を提供できます。
デジタルカメラ(イーサネットカメラ)が適しているシチュエーション・機械
一方、デジタルカメラ(イーサネットカメラ)は、より高度な視認性や遠距離監視が求められる、以下のようなシチュエーションに最適です。
・ 大型クレーン・ショベルカー:遠距離の障害物や荷物の位置を正確に確認するために効果的です。
・ 林業機械:視界が悪い環境でも鮮明な映像を提供し、暗所でも高い視認性を確保します
・ 無人建機・自動運転建機:AI解析や遠隔操作が求められる環境でも、正確な映像提供が可能です。
・ トンネル掘削機や地下作業車:低照度環境での明瞭な映像を確保し、安全性を向上させます。
・ 夜間作業が多いダンプトラック・ロードメンテナンス車:夜間でも鮮明な映像を提供し、作業をサポートします。
・ 坑道・地下工事用建機:光量が少ない環境でも高い視認性を提供します。
・ 高所作業車:広範囲を見渡す必要がある場合に最適です。
・ 港湾クレーン:大型貨物の取り扱い時に細かい確認が求められる場合に優れた選択肢です。
現場に応じた最適な映像提供には、アナログカメラとデジタルカメラの適切な使い分けが不可欠です。AIシステムと連携することで、建設現場のニーズに合わせた高精度な映像提供が可能となります。
建設機械(建機)において、映像システムの重要性はますます高まっています。
そんな中、Motecの建機用カメラシステムが注目されています。Motecは高度な映像技術を活用し、安全性や効率化を支援する強力なツールを提供しています。
今回は、Motecの建機用カメラがどのように業界のニーズに応えているのか、その特徴と利点を紹介します。
Motecカメラの特長とは?
Motecのカメラが建機に求められる理由は、安全性向上、効率化、視認性確保といったニーズに応えるからです。
建機は死角が多く、特に後方や側面の視認性が低いため、Motecの360°アラウンドビューシステムやAI人体検知システムが事故防止に大きく貢献します。
さらに、雨・泥・振動・高圧洗浄にも耐えるIP69Kの防水・防塵性や100G高耐衝撃設計を備えており、高ダイナミックレンジにより夜間やトンネル工事にも対応可能です。
これにより、オペレーターはリアルタイムで状況を把握し、正確な作業を行うことができます。そのため、Motecのカメラは多くの建機メーカーに採用されているのです。
ここでは、Motecカメラの特長とその優れた性能についてご紹介します。
高耐久・防塵防水性能
Motecカメラは、IP69K規格に準拠しており、高圧洗浄や粉塵環境にも対応可能です。さらに、泥・砂・水・振動などの過酷な建機環境でもその高い耐久性を発揮し、長期間の使用においても安心です。
他社製品はIP67やIP68に対応していることが多いですが、MotecはIP69K規格まで対応しており、さらに厳しい環境でも安心して使えます。
振動・衝撃耐性
最大100gの耐衝撃設計を誇り、掘削機、クレーン、ブルドーザーなど、過酷な作業環境で求められる耐性を備えています。振動や衝撃による故障リスクを大幅に低減し、安定した動作を提供します。
他社製品の多くは耐衝撃性能が50g程度であるのに対し、Motecはその倍以上の耐性を持ち、さらに過酷な環境でも安心して使用できます。
広角・高解像度映像
180°広角レンズにより死角を減らし、オペレーターの視認性を大幅に向上させます。さらに、高解像度で、**オートダイナミックレンジ(HDR)**機能により、夜間作業やトンネル工事でも視認性を確保します。
一般的な広角カメラは120°~150°が一般的ですが、Motecのカメラは180°の広視野角を持ち、より広範囲での視認が可能です。
様々なインターフェースに対応
Motecカメラは、アナログHD-TVI、NTSC、PAL、Ethernet、Broadr-Reach (SPE)といったさまざまなインターフェースに対応しており、既存の建機制御システムとの統合が容易です。これにより、360°アラウンドビューやAI人体検知システムとの連携が可能となり、より安全で効率的な作業をサポートします。
多くの他社製品は特定のインターフェースに限定されることが多いですが、Motecは柔軟にさまざまな接続方式に対応しており、システム構築が非常に柔軟です。
建機業界で活躍中!Motecカメラシステムのアプリケーション事例
ここでは、Motecの先進的なカメラ技術を活用した具体的なアプリケーション事例を紹介します。
AI人体検知システムを駆使して、どのように現場の安全性を強化し、作業の精度を向上させているのか、実際のカメラ構成や設置場所をご紹介します。
AI人体検知システム(MVCD2000:デジタルビデオコントロールユニット)
Motec Ethernet(イーサネット)またはMotec LVDS(GMSL)カメラを使用することで、最大4台のカメラを同時に使用でき、ニューラルネットワークとAIを活用してリアルタイムで人体・物体の検出を行うビデオアシスタントアプリケーションに特化しています。
さらに、最大1.5GHzのクアッドコアArm Cortex A53と最大600MHzのデュアルコアArm Cortex-RSFを搭載したXilinx Zynq Ultrascale+ MPSOCにより、重要な瞬間に即座に意思決定を行えます。
構成
【写真で紹介】建機業界におけるMotecカメラシステムの活用事例
Motecのカメラシステムは、さまざまな建機の現場で活用されています。ここでは、実際の活用事例を写真を通してご紹介します。
ショベル機
鉱山建機
トンネル堀削機
船舶
回転タワークレーン(上下回転)
農業機械(コンバイン)
港湾クレーン
鉄道車両(トンネルクリーニング車両)
Motecの代表的な建機向けカメラシステムをご紹介
最後に、建設機械での使用に最適な、Motecの代表的なカメラシステムをご紹介します。
小型で、アルミニウム削り出しハウジングを採用し、建設機械向けに特化した耐振動・耐衝撃性に優れた堅牢なアナログ・デジタルカメラです。
Motecでは、振動や衝撃、極端な気象条件、泥や水分、さらには高温や低温など、厳しい作業環境でも安定した性能を発揮するため、耐久性と高性能を兼ね備えたカメラシステムを提供しています。
MCDE7000 Ethernet(イーサネット)カメラ
MCDE5200 イーサネットズームカメラ
MC7000C HD-TVIカメラ
Motecの会社概要と歴史
Motecは、1992年にMotec GmbHとして設立され、2018年にAMETEKのグループの一員になりました。本社および工場はドイツのハダマー・シュタインバッハに位置しています。
主に、建機・クレーンに特化したカメラ開発をしているドイツに本社を構えるメーカーです。ソフトウェアエンジニアも多く在籍し、カメラの開発・設定のカスタマイズを自社で行っています。
Motecのカメラシステムは、建設機械業界の厳しい要求に応えるために設計されており、多くの建機現場で高く評価されています。
さらに、AIカメラ技術を搭載したカメラシステムもご提供しており、リアルタイムでの高度な判断や分析が可能です。アナログとデジタルの両方のカメラシステムを提供し、様々な現場に最適な選択が可能です。
今後、安全性向上や作業効率化を目指す建設機械現場では、AIカメラとMotecのカメラシステムが強力なサポートを提供します。
詳しい情報やデモのご希望があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ケーメックスAT テックプラス編集部ライター
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