【Murrelektronik 新製品】手軽にIoT化を実現する簡易型IoTゲートウェイがいよいよ発売!【前編】

2019/09/03

  • Murrelektronik

砂川 裕樹

工場現場のエンジニアが、Industrie 4.0を簡単に実現できるソリューション

こんにちは、砂川です。7月初旬に東京ビッグサイトで開催された 国際食品工業展「FOOMA JAPAN 2019」に今年も出展いたしました。【★写真1】。その中で特に多くのお客様の関心を集めた、注目製品についてご紹介させていただきます。

【★写真1】国際食品工業展「FOOMA JAPAN 2019」。弊社の出展ブースの様子。

 

以前、ドイツで開催された大見本市「SPS IPC DRIVES 2018」のレポートhttps://www.kmecs-automation.jp/techplus/detail_90.htmlでも少し触れたのですが、簡易型IoTゲートウェイ「Nexogate」【★写真2】が、日本で正式リリースの運びとなります。Murrelektronik社(以下Murr社)で初めて取り扱うクラウドソリューションの第一弾となるものです。
実は、今回初めてデモ機を作成し展示会にてお披露目となりました。【★写真3】



【★写真2】Murr社で初となるクラウドソリューション、通信機能付きの簡易型IoTゲートウェイ「Nexogate」。



【★写真3】Nexogateの構成事例。エッジデバイスのデータを収集し、クラウド側にデータを直接アップできる。
プロセスの分析や、機械の合理化、または予測保守などの応用に活用。別途OPC-UA対応品も用意。



まずIoTゲートウェイとは何か、といった点から説明したいと思います。
機械のIoT化を実現するための架け橋となるものが、IoTゲートウェイと呼ばれています。インターネットやイントラネットを経由して、サーバーと通信しながら機械の情報を収集・伝送する機器です。

Murr社のIoTゲートウェイ、「Nexogate」が提供する機能は
1. eSIM
2. クラウド
3. ダッシュボード
の3つとなります。【★写真4】

【★写真4】Nexogateの各種特徴。


少しかみ砕いた説明をすると、本製品をご利用いただくことにより、モバイル通信機能を有したNexogateを介し、機械のIO情報(センサやアクチュエータなど)をダイレクトにクラウドに送信し、ダッシュボード上にてデータをグラフなどで視覚化し、ダッシュボードにアクセスすることでいつでもどこでも機械の状態をモニタリングできるようになります。
ダッシュボードにはウェブブラウザからアクセスします。インターネットにつながる環境であれば、PCからだけでなく、スマートフォンやタブレットからもアクセスが可能です。データとビジュアル要素を紐づけ、視認性に富んだ折れ線グラフやアナログメータ、ランプなどユーザー好みのカスタマイズが可能です【★写真5】。


【★写真5】ダッシュボード。
モータ温度をグラフ表示し、時系列の変化をモニタリングしている。ユーザー好みにカスタマイズできる。




何よりも特筆したい特長は、導入の容易さです。
すでに日本にも優れたIoTゲートウェイ製品は多くありますが、他社製品との大きな違いは、クラウドへの接続性が非常に優れている点です。Nexogateはデバイス単体だけでなく、Murrelektronik Cloudとのセットで売られていますのでクラウドとの接続設定などは一切不要です。

『機械のIoT化』というとクラウドに関する専門知識や複雑なプログラミングが必要と思い、敬遠されていた方もいらっしゃるのでないでしょうか?実際、私もMurr社がNexogateをリリースするという話を聞いた時、「クラウドか……設定とかめんどくさそうだな」といったマイナスの印象がありました。

しかし、製品担当者から使い方のレクチャーを受けてみるとそういった印象は払しょくされ、
①機器の接続
②クラウドに伝送
③収集したデータをダッシュボードに表示する
ここまでの工程に、わずか30分ほどしかかかりませんでした。もちろん難しいマニュアルなど使わず、口頭ベースでのレクチャーにも関わらずです。

Nexogateは専門知識は一切無用で、気軽に機械のIoT化を達成できるこれまでにない製品なのです。【★写真6】
  

【★写真6】Nexogate一台につきダッシュボードひとつではなく、
複数のNexogateをひとつのダッシュボード上に表示が可能。
管理者は用途に合わせ複数のダッシュボードを用意しユーザーにアクセス権限を割り振る。
 

IoTの時代にはスマートデータが効率的!

『クラウド』と聞くと『ビッグデータや5G』という言葉が思いつくと思います。
ありとあらゆるデータを収集し、5Gの高速通信ネットワークで伝送し、集積したデータをAIで分析することにより現場のプロセスを最適化するスマートファクトリーソリューションとなるものが近年登場してきております。
ここでポイントとなるのが、Murr社が提唱するクラウドソリューションのコンセプトは、『ビッグデータではなく、スマートデータをクラウドに伝送する』といった流れに反するユニークな点であることです。

Murr社が定義する『スマートデータ』とは、
・無作為にすべてのデータ(ビッグデータ)を送るのではなく、本当に必要なものだけを峻別されたデータのこと
を意味します。

機械のIOデータすべてを伝送するのではなく、必要なデータだけを送ることにより、帯域とリアルタイム性の確保をしつつ、さらに通信料を最小限に抑えながらデータ送信を効率化しているわけです。

ちなみにデータ収集の頻度は、クラウド側から設定できます。毎秒データを送ったり、1日に1回、1週間に1回というような設定も可能です。こういった点もスマートデータとしてコストを抑えるのに役立ちます。

さらにNexogateには「eSIM」が内蔵されている点も特徴です。eSIMは従来のSIMカードに置き換わる電子的なSIMで、従来のように面倒な導入設定なしに、自動的に現地の通信会社とローミングを開始してくれます。そのためわざわざ海外のSIMカードを用意したり、現地の通信会社と契約したり、サービスマンが現地に出向いて導入作業しなくとも、Nexogateが立ち上がれば、すぐにクラウドにつなげられます。
あまり日本ではまだ普及していないeSIMですが、Murr社の担当者が初めてNexogateのデモ機を国内のお客様先に持ち込んだときも、デモ機の電源を入れるとすぐに全くの設定なしにクラウドに接続したのを目の当たりにしたときは驚きました。

・機械の設置先に、新たにインターネットに抜けるネットワーク構築をしなくて済む
・海外現地のSIMカードの容易不要
・設定作業も不要
この3点により、大いに導入の敷居が下がるのではないでしょうか。

ちなみにMurrelektronik CloudからAPIが公開されているため、すでにユーザーが契約しているMicrosoft Azureなどのクラウドサービスへ転送し、Murrelektronik Cloudの情報をお客様用意のクラウドに画面を表示することも簡単に行えます。

具体的な利用シーンは後編でご紹介いたします。次回をお楽しみに!






お問い合わせ

砂川 裕樹プロダクトマネージャー

Murrelektronikのエキスパートになるべく奮闘しています。
お客様の問題点の解決や要望に応えられるよう日々勉強中です。
学生時代から鹿島アントラーズの熱狂的ファンでチームが勝つべく毎週全力応援。
時には残念な結果に終わることもありますが、敗戦をお客様の機械配線のご相談に引きずらないようオンオフの切り替えをしっかりしております。

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