【図で解説】IP保護等級(IPコード)とは?防水、防塵性能を示す規格について

2025/01/15

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ケーメックスAT テックプラス編集部

近年では一般消費者の方もスマホ購入時に防水、防塵の性能を気にするようになりました。
そこでよく「IEC規格」や「IP68等級」といった用語を目にすると思います。
この記事ではIP保護等級(IPコード)とは何か?どうやって見ればいいかを図解付きで解説します。


【目次】
IP保護等級(IPコード)とは
 □IEC規格とは
IP保護等級(IPコード)における防塵性能
IP保護等級(IPコード)における防水性能
防塵性能・防水性能の試験仕方
ケーメックス・オートメーションの扱うケーブルグランドについて


IP保護等級(IPコード)とは

IPコードは(International Protection)はIEC(国際電気標準会議/International Electrotechnical Commission)によって定められた防水・防塵性能がどれだけあるかを示した保護等級を指します。
この規格は、産業用部品だけでなくスマートフォンや家庭用家電などの一般電子機器にも広く使われています。
IPコードは「異物(塵)や水滴の侵入をどの程度防げるか」を2つの数字で表現します。

IEC規格とは

IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議) とは、電気・電子工学に関する国際規格を標準化する機関のことです。
IECが策定する規格は製品の品質・安全性を高めるため、世界中の産業で使用されています。
IPコードも、IEC規格に基づいた製品の防護性能を評価するための指標です。

IP保護等級(IPコード)における防塵性能

IPコードでいう防塵性能とは、その製品が外部からの固形物や粉塵の侵入に対してどれだけ守ることができているかの保護等級のことです。「IP0X」から「IP6X」までの7段階あり、それぞれ具体的な固形物から守れているかどうかの指標があります。

IP1Xでは手、IP2Xでは指といったように、等級が上がるにつれ想定する侵入固形物は小さくなっていきIP5Xからは粉塵と、大きさによらずその侵入物が及ぼす影響についての度合いで試験が行われます。

IP保護等級(IPコード)における防水性能

IPコードでいう防水性能とは、その製品が外部からの水滴の侵入に対してどれだけ守ることができているかの保護等級のことです。「IPX0」から「IPX8」までの9段階あり、等級が上がるにつれあらゆる角度からの水滴や噴水流、一定の水深まで沈めた際の影響によって試験が行われます。

防塵性能・防水性能の試験仕方

ここからはそれぞれの性能試験はどのように行われているのかを紹介します。

防塵等級の性能テスト方法

防塵試験(固形物保護)
主な試験内容は以下の通りです:
•        IP1X~IP4X: 直径1mm以上の固形物が侵入しないことを確認。

▲IP2X のスイッチング電源(Murrelektronik社)
粉塵、水の侵入はしてしまうが、指の侵入は防ぐ。

•        IP5X: 粉塵が製品内部に侵入しても、正常な動作を妨げないことを確認。
•        IP6X: 粉塵が完全に密閉されていることを確認(完全防塵)。
防塵試験では、専用の試験室で粉塵を一定時間吹きつけ、内部への侵入を調査します。
IP5X・IP6Xの試験については通常、テスト機を用いて試験を実施します。

▲IP5X, 6Xの粉塵試験を実施するダストチャンバー装置
参照元:LIB Industry社
https://www.lib-industry.com

この試験装置は、ダストチャンバー試験装置と呼ばれチャンバー内部を真空にし、自動で粉塵性能を試験します。

防水等級の性能テスト方法

防水試験(液体保護)
主な試験内容は以下の通りです:
•        IPX1~IPX4: 水滴や噴霧からの保護を確認。試験では製品に水を垂直から滴下したり、様々な角度から水を噴霧します。
•        IPX5~IPX6: 強い噴流(水圧)への耐性を確認。試験ではホースやノズルを使用して高圧の水流を製品に向けます。

•        IPX7: 水面から1mの位置で製品を30分浸水させ、内部に水が入らない事を確認。

•        IPX8: 水深1m以上で長時間の浸水にも耐えられることを確認(条件はメーカーと試験機関間で設定)。
弊社ケーブルグランドはIP68に合格しております。

•        IPX9: 高温・高圧の水流にも耐えるかを確認(通常は工業用途や特殊環境で使用される製品に適用)。


▲IP9X試験の様子
参照元:OTTO Engineering - Communications社
https://www.otto-comm.com

 

防水試験は、シミュレーションした環境で行われ、規定の時間内に製品が機能を維持できるかどうかを調べます。

ケーメックス・オートメーションの扱うケーブルグランドについて

弊社の扱うケーブルグランドは高い防水・防塵性能を持っています。
スマートフォン等と違い、工業機械類は塵や水滴による一瞬の火花が大事故の要因となり得ます。
工場内・生産ラインでフラットケーブル等を使っている場合は一度見直してみてはいかがですか?
https://www.kmecs-automation.jp/products/detail_788.html




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