省配線化による製造コスト・工数削減方法を事例とともに紹介!コネクタ中継ボックスの活用
2024/11/08
- Murrelektronik
ケーメックスAT テックプラス編集部
製造現場でのコスト削減や工数削減は永遠の課題です。
コスト削減方法の選択肢としてこれまで省配線を気にされたことはありますか?
システムの配線作業をした経験のある方なら、ケーブルの数が多くなるほど配線が大変で手間がかかることを知っていますがそこからコスト削減・工数削減の提案としてはなかなか決裁者まで意見が上がりずらいのが実情です。
現場では日ごろから「もう少し簡単に作業できればよいのに」「省配線化できれば手間が省けるのに」と思われている方も多いかもしれません。
今回はそんな複雑なケーブルの省配線化によるコスト削減・工数削減について紹介したいと思います。
【目次】
【実例付き】製造業における省配線化のメリットを6つ紹介
製造業のトータルコスト削減を実現する製品「省配線システム・EXACT12シリーズ」
省配線システム・EXACT12シリーズの特徴①スリムかつ経年劣化が起きにくい
省配線システム・EXACT12シリーズの特徴②圧着端子のカシメ作業が不要
省配線システム・EXACT12シリーズの特徴③簡単にコネクタ化が可能
【実例付き】製造業における省配線化のメリットを6つ紹介
結論、省配線化を行ことで時間・人件費を始めとするあらゆるコストの削減に繋がります!
もちろん省配線化をするのは大変ではありますが、その手間以上に省配線実現後に得られるメリットは大きいものです。
具体的なメリットを6つ紹介したいと思います。
①作業者の手間が省ける
実例を挙げて、省配線にした時の工数削減や人件費削減についてご紹介したいと思います。
以下は、某包装機メーカーの製造システムを省配線化する前の現行システムの作業時間です。
下記図のように、これまでは16個のセンサごとに3本分のケーブルを多芯コネクタにつなげるため、計48本ぶんの配線作業が必要でした。
さらに多芯コネクタから制御盤に19本の多芯ケーブルをつなげていたため、作業にかかっていた時間は以下のようになります。
1本のケーブルを手作業で配線する時間を約50秒とすると(作業員により若干異なりますが、ここでは熟練者による作業として50秒とします)、上記のように配線点数(以下、WP:Wiring Point)は48本+19本で計67WPとなります。
■多芯コネクタに接続する作業時間=50秒×67WP=3350秒=約56分 |
このほかに、中継箱の組み立て時間が約60分かかります。したがって従来の配線システムの作業時間は、
■合計作業時間=56分+60分=116分 |
となっていました。
次に弊社で提供するMurrelektronikの省配線システム・EXACT12シリーズを利用した場合の配線工数は以下のようになります。
EXACT12シリーズではセンサ16個を接続する配線点数(CP:Connection Point)は、コネクタによって集約されるので、2分の1の計8CPになります。EXACT12シリーズは、M12のコネクタで接続するだけなので、勘合時間は1CPあたり約10秒で済みます。
したがって、EXAC12シリーズのコネクタに接続する作業時間は下記の通りになります。
10秒×8CP=80秒=1.3分 |
これにコネクタとケーブルを接続する作業時間(ケーブルハーネス時間)として1本あたり(両端の接続)3分と想定すると、下記の計算になります。
3×8CP=24分 |
そして、合計の作業時間は、約25分で済んでしまいます。
■合計作業時間=1.3分+24分=約25分 |
つまり、同じ作業でも従来は116分かかっていたものが、25/116=0.22で22%、約8割短縮できるわけです。
②人件費の削減
①の通り作業時間が短縮できるということは人件費削減につながり、トータルコスト削減へつながります。
長い目で見ると、ある程度の初期投資がかかっても、以下のように人件費が減るので、元もすぐに取れてしまうのです。
たとえば、作業時間は従来の約8割となりますから、ひとり1日の労働時間を8時間、作業工賃を3000円/時間と仮定し、年間生産台数を30台とすると、年間の作業時間の削減分は
(116分-25分)×30台=2730分=約46時間/8=5.75日 |
の業務短縮となり、
3000円×約46時間=年間13万8000円 |
の削減ができるという試算です。
これによりイニシャルコストも数年で取り戻せることが分かります。省配線システムの導入に戸惑っている多くの方々は、この長期的トータルコストを見逃しがちなのです。
③省スペース化の実現
従来使っていた中継箱が省配線システムに置き換わることになるため、スペースが小さくなります。
結果、機器の増設などを行う際にスペースの有効活用ができたり、メンテナンス性が高まります。
④立ち上げ時・メンテナンス時の作業性向上
現場で立ち上げを行う際に、コネクタで接続するため、作業がラクになります。
これは、のちのちのメンテナンス時においてはコネクタ着脱によって現場作業員の負荷が軽減され、コスト削減につながります。
⑤作業工程の標準化・ミス防止の実現
ケーブルのコネクタ化は、接続スキルが乏しい現場スタッフでも簡単に対応でき、「作業工程の標準化」につながります。
いま話題のIoTの要請に応えるシステム体制を整えることもできるでしょう。
結果配線ミスがなくなり、高品質を担保できます。余分なケーブリングが不要になるため、制御盤本体やダクトもコンパクト化されます。
⑥エラー箇所の早期発見
万が一、断線などのトラブルが起きても、導入しているコネクタ中継ボックスによっては配置されているLEDが点灯するため、どの場所に問題があるのかもすぐに現場で判断がつきます。
従来のようにテスターで、いちいち配線を1本1本チェックする必要はありません。
製造業のトータルコスト削減を実現する製品「省配線システム・EXACT12シリーズ」
ここまで、省配線化による多くのメリットを説明してきましたが、これらを実現させるのが、弊社が取り扱っているMurrelektronik社の省配線システム・EXACT12シリーズなのです。
本シリーズについて簡単に触れたいと思います。
・4ポート/8ポートの2タイプ有り
・1ポートで1ch、あるいは2chの信号に対応できる製品も有り
※1ポートで2chを利用する場合は、オプションの「Tカプラ」(https://www.kmecs-automation.jp/products/detail_905.html)を使って信号を分岐させます。
・スリムなデザインにより複数のTカプラをI/Oモジュールに接続可能
・コネクタ部はIP67準拠の防水仕様(接続の緩みやネジの締めつけによるパッキンの破損なども防止)
自動化を進めると多くのセンサが必要となります。それぞれ追加されたセンサは、さらに配線を必要とします。
したがって、このTカプラを使用することで、アプリケーションに依存する入力と出力をまとめることができ、ケーブル配線の削減が可能になります。
目先の手間やコストだけでなく、将来まで続くサスティナブルなメリットと将来的なトータルコストまで見据えて、EXCAT12シリーズをご検討していただければ幸いです。
省配線システム・EXACT12シリーズの特徴①スリムかつ経年劣化が起きにくい
同シリーズは、モールド一体成型のため経年劣化が起きにくい構造となっています。
また、専用のトルクレンチが用意されているため、狭いスペースでも確実に取り付けられて、IP67にも対応します。
省配線システム・EXACT12シリーズの特徴②圧着端子のカシメ作業が不要
ケーブルの被覆をはがさず、そのままバラ線と電源線をコネクタに挿入して絞め込むだけで、内部結線が可能な構造になっています。
従来のように圧着端子のカシメ作業もなく、誰でもラクに組み立てられます。
省配線システム・EXACT12シリーズの特徴③簡単にコネクタ化が可能
省配線時の懸念点として「ケーブルをコネクタ化することが面倒なのでは?」と疑問に思うかもしれません。
ケーブルのコネクタ化も簡単です。下図のように4ステップで作業が完了します。
本製品にご興味のある方は、ぜひ弊社(info@kmecs-automation.jp)までご連絡下さい。
ダウンロード
コネクタ中継ボックス「Exact12」 M12タイプ(プラスチック製)
今回ご紹介した「EXACT 12」の |
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